國學院大學博物館「神に捧げた刀」展レポ③〜特別展展示メモ

 

 

特別展展示内容

原寸大刀剣タペストリーの撮影スペースと向かい合わせの区画に、今回の目玉「特別展・神に捧げた刀」のスペースがありました。

ちなみに撮影スペースと特別展スペースの間を抜けていくと、常設展のスペースです。

常設展も見ましたが、今回のメインは特別展なので、まずは特別展から。

以下、展示見ながらとったメモ。

 

第1章「神・死者へ刀剣を捧げる」

・金属製武器は、縄文時代まで日本になかった。

・武器形青銅器は弥生中期に日本に来る。だんだん大型化していく。巨岩の陰に埋もれる形で見つかった武器がある。神祇祭祀の原型。他にも巨岩周辺には、鏡や玉などの遺物が残されていた。

・5世紀までは日本は両刃の剣が主流。6世紀以降はまっすぐで片刃の直刀が主流。

・モノキュラーをお持ちなら、持っていったほうが鏡の細かい装飾がよく見えて「すごい…」ってなるのでオススメ。

 

第2章「神剣、あらわる」

・日本神話に出てくるフツノミタマ(初代天皇神武天皇が使った鉄の刀)、草薙剣三種の神器の1つ。スサノオヤマタノオロチを倒した時に見つけた剣)は、石上神社の禁足地(入ったらダメな場所)から出土した、古墳時代初期の鉄刀「素環頭内反大刀(柄の先に輪っか型の飾りがついた、まっすぐな形の刀)」と同じような形と思われる。

・素環頭内反大刀は、中国の漢帝国の刀剣と形が一致している。中国からもたらされた優れた刀剣、優れた武器としての性質から、副葬品や幣帛として使われた。

・「皇太神宮儀式帳」より。刀は神を象徴するものという意味合いで「御形(みかた)」という言葉が使われている。

・「大神宮御神宝古図」にて。のってる刀剣の図がなんか強そう。

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ちなみにこれは、展示を見ながら私が描いた図です。

まっすぐな線が引けないので大惨事ですが、実物はもっと神々しい感じに描かれています。

柄の周りの輪っかに、鈴がついているらしい。

なんだか錫杖を思わせます。

 

第3章「中世東国武士の神社信仰と刀剣」

・特にメモしてない。

・剣巻(つるぎのまき。一部の刀剣乱舞ファンの間では、太刀「髭切」「膝丸」の言及があることで有名。『平家物語』『源平盛衰記』にそれぞれのっていて、ここのは平家物語のほうだった)があった。

 

第4章「近世の神社と刀剣、それから」

武家故実武家社会での諸規定、古例、慣習などの例証のこと。近世になるとこれが発展し、刀剣の考証、紹介の動きが見られるようになる。

・本阿彌家。享保名物帳を徳川吉宗に献上。室町以来、刀剣の研磨やぬぐい、鑑定をしてきた。

・「康継大鑑」より。目釘穴のない刀は、神仏に寄進する際の古例。